本年5月27日(土)に、第17回目となります「武田の杜薪能」を開催します。
今年は『武田信玄公ご神忌450年』という節目にあたり、その記念として新たに『武田信玄公をシテ(主役)とした新作能』を上演する運びとなりました!
実は能楽の演目の中では「武田信玄」を取り扱った演目は存在しておらず、まさに今回が歴史上初の上演となります。 その記念すべき能を、この度、私・佐久間二郎が手掛けさせて頂き、ストーリーから謡、舞の型まで全てを作りました。
かねてより、信玄公の能を作成したいという願望は持っていたのですが(同じく、武田神社様からもご依頼を受けておりました)タイミングがつかめず、しかもコロナ禍により2年間の上演中止もあったことから、なかなかに新作能を出すことが出来なかったのですが、今年がちょうど信玄公が薨去されて450年という節目となり、その機会にこうして満を持して武田信玄公の能を上演できることは、まさしく信
玄さんのお導きであると感じております。 演目の名前は『甲陽』。これは、我が師匠・観世喜之師が愛読している「甲陽軍鑑」から二文字を取りました(ちなみに、武田神社の能舞台の名前である「甲陽武能殿」も、喜之師が名付けられました)。 あらすじは、都より出た旅の僧が、甲斐国(山梨県)古府中を訪れると、そこへ一人の老人が現れ、信玄公の出生から甲斐の国守になってからの功績などを語ります。その後、老人は釜無川のほとりへと僧を案内します。そこには「信玄堤」と呼ばれる堤防があり、永く人々を水害から守ってきたが、近ごろ川の底に棲みついた龍神の力により、たびたび洪水が起こっている事実を告げます。老人は、「龍神の力を封じる『聖牛』を組み直せば川の氾濫もおさまるだろう」と言い残し姿を消しますが、折からの洪水に二人の村人が避難してくると、なんと聖牛が打ち壊されていることに気づきます。そこで村人たちが聖牛を組み直そうと川に入った際に、うっかり龍神の目玉を踏んでしまいます。その所業に怒り狂った龍神が、川の水を溢れさせ人々をも飲み込まんと襲い掛かるので、僧が武田信玄公に祈りを捧げると、天空より武田信玄公の霊が降臨し、龍神を退け新たな聖牛を川面に設置し水の流れをおさめると、これからも甲斐国の守護神となることを誓い昇天していく―――といった流れになります。 前述の通り、これまで信玄公を取り扱った能は存在しません。なので、初めから能を作ることは本当に至難の業で、武田神社様をはじめ様々な所から信玄公に関する資料を取り寄せ制作に掛かりましたが、調べるほどに信玄公の民を愛し民を慈しむその姿を目の当たりにし、何度も心を震わせずにはいられませんでした。
大いなる強さから「甲斐の虎」と畏れられてきた信玄公ですが、私としては地元民として子どもの頃から「信玄さん」と親しんできたその温かく大らかなお姿を描きたいと思い、あえて今回の新作能では「戦」ではなく「民政」に力を注いだ信玄公を登場させることにしました。 かつて自身も能楽を愛好し、躑躅ケ崎館(現在の武田神社)の能舞台にて
自らも能を舞われた信玄公。その御魂をお祀りする武田神社の境内にて開催される「第十七回武田の杜薪能」に於いて、忝くも信玄公の役を演じさせて頂く栄誉を存分に感じながら、本番に向けて稽古を重ねる日々を送っております。 ぜひこの記念すべき年に、史上初の信玄公の能をご高覧頂けましたら幸いに存じます。皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。 新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、座席数は250席限定となりますが、万全の感染防止対策を講じ、最大限に安全に配慮して開催いたします。 新緑に包まれた武田の杜に浮かぶ能舞台の幽玄なる風情を、ぜひ存分に味わって下さいませ。 以下、詳細です。 ◆ 武田信玄公ご神忌450年 第17回武田の杜薪能◆ 〇 日時:令和5年5月27日(土)午後5時開演(午後4時開場) 〇 会場:武田神社能楽殿(甲陽武能殿) 〇 入場料: 正面特別席10,000円(最前列・お土産付き)
正面席 8,000円 脇正面・中正面 7,000円 〇 演目 ・解説 新作能『甲陽』について
佐久間二郎 ・仕舞 『敦盛』 観世 喜之 『屋島』 観世 喜正 ・狂言 『名取川』 シテ(出家)大藏 教義 アド(何某)榎本 元 ・新作能『甲陽』 シテ(老人/武田信玄公の霊)佐久間二郎 ツレ(龍神)小島 英明 ワキ(旅僧)野口 能弘 アイ(村人)大藏 教義 アイ(村人)上田 圭輔 笛 栗林 祐輔 小鼓 鳥山 直也 大鼓 佃 良太郎 太鼓 大川 典良 後見 遠藤 喜久 桑田 貴志 地謡 観世 喜正 中森 貫太 中所 宜夫 奥川 恒治 鈴木 啓吾 永島 充 坂 真太郎 中森健之介 午後8時終了予定
◆チケット申し込み ・武田の杜薪能実行委員会(武田神社) 電話:055-252-2609 メール:takedanomori.takigino@gmail.com ・佐久間二郎 電話:042-316-4860
メール:sakujinet@msj.biglobe.ne.jp ※当サイトの上部バナーにある「ご連絡」からもお申し込み頂けます。 ※特別席に限り「武田の杜薪能実行委員会」のみの取り扱いになります。
皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。
佐久間二郎 敬白
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